科学サークル大黒屋 その2

三重県理科の教科研究や地域での科学ボランティアを行うサークルです。科学教育協議会会員が中心となって会を運営しています。教科研究、実験工作交換会、理科の出張授業、地域工作教室など「何でもやってみよう」の精神で活動しています。現在大黒屋は「県生涯学習センター」など各地公民館でサイエンス講座をしています。ホームページはここ!http://www.mecha.ne.jp/~hitoshijin/ 質問,連絡は sci.daikokuya■gmail.com まで(メールの際は■を@に置き換えてください)

2020年06月

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空気中には酸素があって、 それは空気全体の1/4くらいであることを前回の実験でわかりました。 104113066_30416s_n
(ペットボトルの中にホッカイロを入れてボトルのへこみ具合を見る実験)
今回は酸素ボンベからの酸素を使っての実験です。
まず質問から 「酸素の色は?」「白」いや「無色」
白っていうのは紙の色みたいに見えるっていうことだよね。
「酸素が燃えるか?燃えないのか?」
小学生全員が「燃える」に賛成。
スタッフさんにも手を挙げてもらったら全員が「燃えない」と意見は真っ二つに割れました。
そこで「燃える」ということを図に示して「この状態が燃えるということだね」 IMG_7727s
すこし暗くして実験!
「酸素がもえてるっていうことはないなあ」
「線香が燃えてる」 「線香は最初炎がなかったけどね」
「酸素はモノが燃えるのを助けてるんだね」
マッチに火をつける練習を全員がして
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次は水素のボンベを用意して
「水素の実験だけは酸素と同じようにやってはいけないよ」
「試しにやってみようっていうのはだめだよ」
「水素は空気と混じって大爆発するんだ」
「今まで多くの子どもたちがこの実験でけがしてるからね」
全員に防護メガネは配っておいて実験
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この装置はペットボトルの底はありません。
下から水素を入れて、いちばん上の栓を抜いて、火をつけました。
すこーし赤い炎が見えたような気がしたとたん、ドカーン!!
大音響とともにボトルの中に炎が走り、
持ってる手にかなりの衝撃が !
大人も子どももびっくり仰天。
なんどやってもすごい実験です。

次は水の電気分解実験 実験器具は手づくり、H型電解装置をまねて、
電極につなぐコードは水槽の外に出ています。
電極へのコードが水中に入ってると+極の酸化によるさびが激しいからです。 IMG_7649

手作り電気分解装置
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時間が経過していくと電極から泡が出てきて
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透明ホースにたまった気体を調べることになりました。
-極に集まった気体は多く、火を近づけると「ピョン」とはじける小さな爆発音!
「水素だね」


+極に集まった気体は 「お線香が炎を上げて燃えたから酸素」
前もって集まった気体の体積がわかるようにテープで示しておいたから IMG_7711
水素が酸素の倍くらい体積があるから 水素(Hydrogen)酸素(Oxgen)は2:1
HがOの二倍あるのでH2Oでした。
水のことについて話し合いました。
「体の中はほとんどが水」
「地球はほとんど海(水)でおおわれてる」
「水が雨として降って、川になり、海に行ってまた蒸発して雲になり雨になって循環してる」
などなど90分

ズームを使って13人が参加して各自の作品や授業実践報告を
お互い聞きあい討論することができました。
13名中、大学生2人および初参加4人でした。 IMG_7506

<小池・赤嶺>モリアオガエル産卵
四日市水沢の山林で開発中の場所に産卵されたモリアオガエルの卵を救出するということで
珍しいので皆さんに紹介されました。
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梅雨になるとオスガエルたちが、
泡状の産卵を始めたメスガエルに抱き着くようにして 産み付けられた卵に射精するのです。
しばらくたつと池の上の細い細い枝先に産み付けられた卵からかえったオタマジャクシが
枝の下にある池に落ちて活動し始めます。
イモリがそれを狙って食べる風景が時々見られるそうです。
モリアオガエルの知恵を感じました。

<植田>放物運動をVRで見える化
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高校物理で放物線運動は大事なテーマです。
水平方向と垂直方向の運動を見ることができると放物線運動を解析できます。
VRゴーグルをつけて物体が投げられる映像と同時に水平・垂直方向の運動を解析 ポインターで可視化する手法です。
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今までVRによる可視化に取り組み始めて多くの作品が紹介されてきました。

<鶴田>むかしおもちゃ
〇12本の竹材に数字・十二支が書かれていて IMG_7523
これを手のひらにのせて「えぃ!」と一挙に手の甲の上にのせて、
少しづつ竹材を床におろしていく遊びです。
戦前戦後も子供たちがお手玉とともに遊んでいたおもちゃです。 IMG_7504
〇びっくり箱
牛乳パック一個から切り出した帯状の板に、
輪ゴムをそれぞれかけて作ったびっくり箱おもちゃです。 IMG_7524
格安・簡単にできて、ゴムの弾性やゴムのエネルギーを学ぶ教材としてもいいモノでした。
〇アナログソートの手法
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コンピューターが広まってくるまで書類の整理・分類の手法の紹介でした。 IMG_7551
ルーズリーフにパンチで穴をあけ、一本の串で同じ種類の書類を引き上げだすことができます。
分類整理の基本操作は子どもたちにとっても大事な技術として学びたいです。

<赤嶺>新型コロナ、生物・地学標本整理と同定、アジサイのまなび
〇新型コロナウイルスはエンベローブでおおわれており、石けんによる手洗い、界面活性剤、アルコールなどによって感染力を失います。
エンベローブはリン脂質二重層で形成されており、
親水性の部分と疎水性の部分(油になじみやすい)部分があります。
これをマッチの軸を使って生徒に話すことにしたのです。 IMG_7511

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詳しくは雑誌「理科教室」5-6月号・コロナ失活についての2論文参考・https://kakyokyo.org/参考。
〇高校地学教室標本1000点以上のリスト化 生物と地学の教員二人でコロナ休校中すべての標本のリラベル、検証、不明化石標本の同定を1000点に及ぶ膨大な作業を行ってきた途中経過の報告 IMG_7004

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〇ガクアジサイの花はどこ? まわりに花びらのように開いてるのがガク、
その中心に粒のような花があります。
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中心部に細かく集まっているのが両性花で
栽培種は種をつけません。
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葉っぱは毒性があって虫に食われないのです。
水無月懐石料理に飾りとして出されることがありますが、梅雨時の代表的な花です。

<加藤>小学校スクラッチによるプログラミング授業への提言
・小中と連続(連携)した教材が必要 ・初期の段階では簡単スクラッチから入って図形を描くようなところまで
・次第にアクチュエイター(コンピューターによって動かすことのできるもの)を 中学まで見据えて導入していきたいと考えています。
そこで今回紹介するのは、「スクラッチーノ」というソフトを使って、 スクラッチ2-3上で、「アルディーノ」を操作することを考えています。
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これがアルディーノとスクラッチ2-3をつなぐプログラム IMG_7567
スクラッチーノが動作しているという示す画面です。
例1:LED9個を点滅させる場合
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例2:信号機赤・黄・青(緑)を順番につけたり消したりするプログラム IMG_7568

例3:高度になると27個のLEDの点滅(中学校以上)
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もっと高度になれば点滅信号が入ったり、
国道と市道が交わる場合の信号、渋滞の緩和の措置など発展させていくことができると思われます。
以上のようなアプローチを考えています。

<五味>動く電子工作講座
いろいろ 月一回費用約400円でかつ低学年が楽しめる動く工作のいろいろ紹介です。
ハンダは使わずブレッドボードを使います。
〇電子ブローチ LEDが七色に変化していきます IMG_7575
〇音センサー自動車
第一音で前進、第二音で停止、第三音で後退を繰り返す自動車です。 IMG_7577
〇磁石スイッチで傾くと動き始める
プラコップ内に入ってる電池ボックスが傾くと、磁気センサーによってすいっちがはいるもの IMG_7591
〇四本足で前進後退ロボ
スイッチを電池ボックスを左右にひねることでモータの回転方向を変えるところと
足を四本にして動いていくのが面白いです。 IMG_7595
〇揺れながらすすむロボ
左右の車輪が円ではない半円のためギッコンバッタンしながら進みます。
倒れやすいので動輪の周りに広めのリングをセットしているのがポイントです。 IMG_7604

<伊藤>コロナ時代の教材工夫・小5種の中身 教材の精選、理科が楽しくなる工夫 IMG_7613

野菜や冷凍食品を使えば簡単、
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漢字クイズでおお盛り上がり、NHK動画はなかなかいい IMG_7615
時間数が足りなくなって詰込み授業は避けたいですね。
じょうずに教材精選することと、簡単科学手品の投入も盛り上がるかもしれません。
約4時間
オンラインのため画像はどうしても落ちます。
画面上で動きのあるおもちゃなど見やすくする工夫を考えなければ・・。
討論は比較的うまくできました。
一番いいのは遠路時間をかけて集まらなくていいことですね。
自由に入室、退室ができて参加しやすいかもしれません。

「空気をつかまえて」
たくさんの子が前にでてきて、ビニール袋を翻して空気をつかまえてくれた。
「これつぶしたい」
「やめてよー、音が怖いよー」の声が入り混じる中・・
「BA---N!」
袋を抱きかかえて押さえつけてもなかなかしぼんでくれない。
「この空気の塊は面積じゃなくなんていうの?」
「容積?」
「体積?」
「そうね、この空気の塊は体積というよ」
「じゃ、空気の重さ(質量)はどれくらいあるかな?」
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0gを選んだ子もいたが、多くの子は軽い1-2gを選択しました。
そこで空気の質量を測る方法を考えてもらったら
「フーセンを膨らまして天秤の左のさらにのせてね、反対のさらに同じフーセンをのせたらいい」
早速実験 長いフーセンを折り曲げても小さなさらに乗らないのでセロテープで貼り付け、
反対のさらにも同じ長さのセロテープを載せて・・ IMG_7479
「きっと膨らませたほうが下がるよ!」
「あれー、かわらないなあ」
「もっと空気をつめこんだらいいのかなあ」
そこで水の入ったビニール袋を出して、バネはかりにかけたら
「重いわー」
「じゃ、その袋を水に沈めて測ったらどれくらいの重さになるかな?」
「すこし軽くなると思う」
「浮力かな?」 測ってみると・・
「はかれないなあ」
「水は水の中に入れると重さがなくなって測れないんだ」
「空気もおんなじで、空気の中では空気は測れないのかな」
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「この缶の中に空気を空気入れでいっぱい詰めて測ってみよう」
空気入れで空気を缶にいれると
「すごーい缶があったかくなってきたー」
「なぜー」
「おしくらまんじゅうみたいに、みんなが集まると熱くなるんじゃない」
119g、と測定して 空気を缶から排出して缶を測ると117g・・
「空気が缶から出てくと冷たくなる」
------------------------------------中断して 時間の関係で実験は空気中の酸素量の測定実験。
用意した「ホッカイロ」を500mLのペットボトルに入れて酸素を減らす実験へ
「この黒いのは石炭?」
「いや、砂鉄かな」
「鉄かな?」
「わーどんどんあったかくなってきた」
「こんなにへっこんじゃった」
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空気中の酸素量を質問して実験へ -----------------------------------
-再び空気の質量実験へ 「缶に入った空気の体積を測らないと重さ(質量)がわからないよね」 highlow 015s
「お風呂に入った時のおならみたいに空気をペットボトルに集めれば缶にどれくらい空気が入ってたかわかるね」
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2000mLに少し経足りなくて 「空気の1Lの質量を計算すると?」
「0.9gで1Lかなあ」
空気には体積も質量もあることを確認して
「空気もボールと同じように遠くに投げることができるんだ」
「そう、空気砲だね」
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最後は酸素量の測定 「こんな装置を使えばかなり正確に酸素の量がわかるよ」 IMG_7486
「2000mLの空気から減った酸素の量は450mLだから何パーセントかな」
「22.5%」 「
酸素が空気中にいっぱい入ってないのはどうしてかな」・・・ 1.5時間
「楽しい実験だった」みんながそう言ってくれました。

前回4月の講座は桜の花だったのでおさらいしながらスタートしたら 
さっそく「先生前回のサクラをノートにはさんでたらこんなになった」
きれいな押し花を見せてくれました。
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「サクラって種ができるんだっけ?」
ソメイヨシノは種ができないことをはなしておいたので
「できない」に答えが多く集まりました。
「実はきょう公園でサクラの実(種)を見つけて拾ってきたので皆さんにあげるよ」 KIMG2415s
「ソメイヨシノじゃないサクラなんだね」
「これってサクランボ?」
「食べられるの?」
植物ってまわりいっぱいに広がっていくために種をいっぱい作ってまわりにばらまいています。
以下の種を全員に配って・・
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タンポポの種はノートにセロテープで貼り付けてもらい、
ニワウルシとヒマラヤスギの種は高いところから落としてもらいました。 IMG_7407

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「わぁ-くるくる回っておちていく」
「ゆっくり落ちてくと風がきたときにより遠くに飛ばされるね」
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5月からアサガオの発芽の経過を写真に収めてきたので紹介しました。
PPTで14枚の連続写真を紹介しながら・・
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芽がでることを「発芽」というのですが、その条件は?
5年生の子の手が一斉に挙がった。
「今学校でならったばっかし」
くちぐちに 「水・空気・温度」とっても得そうな顔で!
「空気ってなぜ必要なの?」
知ってる子が得意になって「呼吸してる」
「じゃその発芽のエネルギーはどこからくるの?」
また得意になって「炭酸同化作用」・・
じゃ種の中身をのぞいてみよう!と
 用意したのは次の冷凍食品
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じょうずに皮をむいてもらって
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冷凍食品は安く、種の中身を見るのに大変便利でした。
たねの中にいっぱいつまってる栄養や根・芽をそれぞれ確認して
最後に「胚」を学びました。
NHKのすばらしい動画を見て、生命の力強さを感じ取りました。 IMG_7422

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1.5時間

前回振動モータを使ったおもちゃ「ゲジゲジ君工作」につづいて、
モータの基礎を実感する工作講座です。
一人4個のフェライト磁石を配布しました。
「磁石のS極とN極を決めたいけどどうする?」
「磁石船でしらべる」
「今日はそれができないなあ」
「ころがしてみる」(机に鉄材があってこまった・・)
「ひもにつるせばいい」
「へーよく気が付いたね」
「このまえやったもん」
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「じゃ、四個の磁石を”くっつき””しりぞけあう”をつかってNSを決め、磁石に記入して」 IMG_7378
全員うまく記入できました。
早速磁石遊びする子もでて・・
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「じゃスチロールカップを配るので、その外側に三等分して磁石をはりつけて」
「カップの周りを三等分する方法は?」
「糸をつかってわけるかな」
「カップの真ん中に正三角形を書けば」
「全体で360度だから三でわると120度」
「三角定規がいるかな」 おおざっぱですが、
それぞれ思う方法で同じ磁石の極をカップの外側に三個の磁石をはりつけてもらった。
「この磁石付きのカップをバランスよく回転させるために軸が真ん中に必要だね」
「カップの中央に工作用紙を貼り付けて中心をさがす」
「線(弦)をかいて真上に線を伸ばしてふたつがまじわったところ」
「垂直二等分線というね」
「磁石がはりついてるから、うまく回転するかどうかは、
千枚通しの針で下から支えてうまくまらるところがいいかな」 IMG_7380
軸に用意されたリベットをさしこんで完成です。
「竹棒の先にフェライト磁石をはりつけて、
これでカップの磁石との”しりぞけあう”をつかってカップが回転すればモータができるね」 IMG_7381
「タイミングがむつかしいよ」
「竹棒の磁石を回さないで近づけると遠ざけるだけでカップが回転するように練習して」
なかなかこのタイミングがむつかしいです。
これを機械的に滑らかにできるようにしたのが本物のモータです。
テーマは「真ん中におかれた磁石を外側に置いた磁石で回転させるのがモータの基本だね」
「クリップモータもマブチモータも同じだね」

1.5時間

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