科学サークル大黒屋 その2

三重県理科の教科研究や地域での科学ボランティアを行うサークルです。科学教育協議会会員が中心となって会を運営しています。教科研究、実験工作交換会、理科の出張授業、地域工作教室など「何でもやってみよう」の精神で活動しています。現在大黒屋は「県生涯学習センター」など各地公民館でサイエンス講座をしています。ホームページはここ!http://www.mecha.ne.jp/~hitoshijin/ 質問,連絡は sci.daikokuya■gmail.com まで(メールの際は■を@に置き換えてください)

2019年07月

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低学年が多い親子(23組)科学工作講座でした。
まずプリズムシート(フィルム回折格子)工作から始まりました。
初めてカッターナイフを使う子も多かったですが
、親子の共同作業で 工作用紙から18mm×9mmの四角を切りぬくことができました。
指導ポイントは、
1.カッターナイフの持ち方は鉛筆と同じように
2.手を机から浮かせないで、必ず手を机に触るように
3.カッターナイフは工作用紙に「ブスッとさしてひっぱーる」でおこなう
4.線引きされた部分の少し手前から、枠をオーバーランするまで切り込むこと
切りぬかれた四角にプリズムシートを張り付けて実験開始 IMG_1167
マッチの火を見る
ローソクの火を見る
共に親子の大歓声が上がる、

次々と各種のLEDの光を見てもらいながら絶えず
「一番外側の光の色は?」の質問を繰り返す。 IMG_1166
ここから色の光を漠然のみるんじゃなくどの場所にどんな色の光があるのかに注意が注がれる。
虹を見た経験を子供たちから出してもらいながら、
虹ビーズを使って虹の形と色を観察して、 IMG_1162
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虹が「あってないもの」
「自分の頭の中に見えているもの」を
感じ取ってもらいながら 虹は完全な円形であることをわかってもらう実験です。
最後は自動点滅RGBLEDに3.0Vの電池をつけて、
光の三原色を学ぶ工作でした。
親さんからいろいろな質問を受けました。
「このシートはどんなもの」
「シートを売ってるお店は」
「夏の自由研究にするには」
「カメラで実験を撮影できるか」
「ネットで調べるにはどういう検索」
1.5時間

夏休みに入ってすぐの企画にぴったりなのがこれ。
「傘を使ってソーラークッカー」工作です。 IMG_1101
(木工用ボンドは少し水に溶いて、
6個のオケに入れて25人に対応、ハケも25本用意)
もちろん大きなテーマは「太陽と地球環境」を忘れるわけにはいきません。
蒸し暑い日が続いていて、何かしら子供たちの顔がほころんでないので、
お話から入りました。
「昼ご飯食べた?」
「おいしかったかな?」
「夏休みと学校に行くの、どっちが楽しい」
意外と学校に行ってるほうがいいという子が結構いましたね。 IMG_1116
(今回子供たちの完成作品)
ソーラークッカーの完成品を見せながら、
「どうしてこれでゆで卵できるの?」
「太陽の光が反射して、卵に集まるから」即答でしたね。
「缶が黒いのはなぜ」
「黒いほうが熱をもらいやすいから」
「白は光を吸収しないんです」・・・ 2019-07-04 15.06.48s
(事前にすべての缶を黒ペンキスプレーで色をつけておきました)
「先生、月の光で調理できないんですか」早速みんなで考えました。
「月って満ち欠けするよね」
「何で」
「太陽に光を受けてるから」
「そうだよね」
「あんなに遠いところからやってくる太陽に光を鏡のように反射してるのが月の光」
「これじゃちょっと弱いよな」
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(子供たちが用意した傘にはいろいろな種類がありました、小さい子供の傘も・・)
「どれくらいの温度でゆで卵になるの」
「みんなは何度のお風呂に入ってるの?」
「42度」
「そりゃ高いね」
「太陽に光で車の屋根は何度になるかな」
「50度」
「今回の実験なら工夫すると80度から100度近くまでになるんだよ」 そして工作へ IMG_1105
用意した2Lペットボトル上部を切断して黒缶を入れ、それを傘の柄にセットします。
(セットするのは一番最後)
ボトルに穴を開けるのは半田ごてで。 それぞれが持ってきた傘を開いて、
自分の作業場所を確保します。
のりがあちこちにこぼれても大丈夫なように、床前面に新聞紙とシートをはりました。 IMG_1103
前もって用意した型紙を自分の傘に合わせて型紙を修正し、
配布されたアルミ蒸着シートを広げ二枚折にします。
(ダイソーでEMERGENCY BLANKETで注文、別名アルミ保温ブランケット108円) IMG_1106kata

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できたアルミシートを傘にボンドをハケ塗りしてしわにならないようにします。
子どもたちには、少し隙間ができても、重なっても、
はみ出してもいいよ、とていねいすぎないように注意します。 IMG_1112

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黒缶入りペットボトルをセットして完成です。
お天気がよければゆで卵があっという間にできたのに終日太陽は顔を見せませんでした。
残念。
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ゆで卵を作る時間が余ったので、簡単に太陽光エネルギーの利用について解説。 2019-07-21 16.01.19s
子どもたちは、ゆで卵を作って食べる夢を描きながら、
裏側がギンギラのままの傘をさして笑顔で帰ってゆきました。
4年から6年生、23名
2時間

手軽にできる低温、氷に塩をふりかけるだけで簡単に低温を得ることができる「寒剤」を使います。 hayabusa2_main_001
先日ハヤブサ2が二回目の着陸を成功させて、
リュウグウの表土をとりのぞいた石(試料)の採取に成功しました。
世界一の快挙ですから、
この技術やミッションの内容、未来への宇宙科学の展望など子供たちにお話しすることにしました。
参考:ジャクサ http://www.jaxa.jp/
参考:https://www.gizmodo.jp/2019/07/hayabusa2-successed-to-touch-down.html#cxrecs_s

シャーベットづくりの前に「寒剤」のお話をしっかりしておきました。 2019-07-12 18.25.55
小学生ですから
1.氷が解けるときに周りから熱をうばうこと
2.塩が溶けるときに周りからねつをうばうこと(前回尿素や砂糖の溶解熱実験済み)
の二点を強調して実験へ
「あーすぐに温度が低くなってきた」
「あーマイナス三度」
「もっと下がった、マイナス5度になった」 2019-07-12 18.24.47
「でもシャーベットにならない」
「ジュースを少なめにしてね」
「ゆっくりジュースをかき混ぜて」 2019-07-12 18.25.12
「水が多くなったら捨てて」
「大きな氷は布袋に入れて金づちでたたいて細かくしてよ」
「あ-なんか固まってきたみたい」 2019-07-12 18.49.15
「マイナス10度になってる」
「いろんなジュースをシャーベットにして食べていいよ」 2019-07-13 10.55.10
「リンゴジュースのなっちゃんがおいしい」 2019-07-12 18.43.48
「わ-マイナス20度を超えてる」
「冷たくて手が痛いよう」
「手袋して」
2019-07-12 19.08.28
夏休み前最後のサイエンス講座は、とても楽しい講座になりました。
学校疲れも吹っ飛んで、
超・笑顔笑顔の子どもたち。
「うまーい」
シャーベット味をいろいろ楽しんで、
キット頭に「寒剤」がしっかりと刻まれたことでしょう。
「先生、これ夏休みの自由研究にするわ-」
 1.5時間

表面張力実験って簡単にできて子供たちも大いに楽しめる実験です。
一円玉と洗剤、そして透明コップを用意しました。
「一円玉って水にしずんじゃうのに、浮かせることができるんだな」 2019-07-05 17.56.02
「みんなそれぞチャレンジして」
もう大はしゃぎ、
「わー・・・ちゃん、そーッとしてよー」
「ういたういたー」
「スポイトで少しずつ水を増やしていって、コップから水が盛り上がるまでやってみよう」 2019-07-05 18.00.07
「ほんとだー、水がもり上がってる。
一円玉はすこし下がってる。おもしろーい」
「先生、表面張力っていうんだよね」
「一円玉を次々と浮かべてみようか」 2019-07-05 18.02.23
「八個も浮かばせることができた―」 2019-07-05 18.01.28
「じゃせっけん液を数滴たらすからよーく観ててね」
一円玉が沈んでしまってみんな驚き!!
「さーてどうしてかな?」 表面張力の説明をして、次の実験へ。
つまようじを用意して
「これは水に浮かぶかな」
「どんなことしても浮かぶ」
「木だから浮かぶ」
「つまようじの一つの端にせっけん液をつけて水に浮かべてみて」
「あっ、すこーしはしった」

ここまで1時間

以前鶴田さんが科学サークル大黒屋例会で行われた動画


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化学変化(鉄が酸素とくっつく)で熱の出入りがおこることはもちろんですが、
砂糖や尿素が水に溶ける「溶解」の場合にも熱の出入りがおこります。
砂糖や尿素が水に溶けるとき、砂糖や尿素の分子がばらばらになって水の分子と混ざり合う場合に
周りからエネルギーをもらってばらばらになるために熱の変化が起こります。
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100gの水(約20度)に砂糖を徐々にとかしていきます。
どんどん砂糖は溶けていきます。
(20度で溶解度203.9)
2019-07-05 18.23.24
「あれー温度が少しさがったかな」
各班ともに2-3度下がったようです。
砂糖はどんどん溶けて100gを超えてくると、
コップから溢れそうになって中断。
次は尿素
「先生尿って漢字がついてるから、毒じゃないの、触ってもいいの」
(毒性は弱い)
早速尿素の袋を見せて
2019-07-05 17.35.23
これはやさいにとても大事な肥料って書いてあるんだね。
「白くって、においはないね」
「でもさー、なんだかいやだね」
早速人間の尿がどこでできるのか、何が入ってるのか、
また魚の尿や鳥の尿のちがい等説明しました。
尿素の溶解度が20度Cで208なので、水を50gにして、
徐々にとかしてもらいました。
すぐに大きな反響が
「めっちゃ冷たい」
「さわれんくらい冷たい」
「20度の水が10度、あーどんどん下がって3度になったよ」 2019-07-05 19.01.24
温度が下がって、溶解度が下がるために、
一挙に溶けなくなっていきました。
0.5時間

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